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映画『9人の翻訳家』を ネタバレあらすじで考察と解説

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どうも、こんにちは。ズバ男です!

この記事は映画『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』をネタバレあらすじにツッコミや感想をまじえ、面白くも分かりやすく解説していくものです。

 

【こんな人にオススメ】

・映画を観てさらに詳しく知りたくなったあなた

・映画は観てないがネタバレで内容だけ知りたいあなた

 

ネタバレを多く含む内容となっていますので、ネタバレしたくない人は注意してくださいね。

ラスト20分で起きる大どんでん返しは傑作すぎるためこの記事ではあえて省いています。

 

【作品情報】

2019年製作/G/105分

フランス・ベルギー合作

 

 

《スタッフ》

◆監督/脚本・・・レジス・ロワンサル

◆脚本・・・ダニエル・プレスリー/ロマン・コンパン

◆撮影・・・ギヨーム・シフマン

◆音楽・・・三宅 純

 

 

《キャスト》

この映画はミステリーⅩスリラーといったジャンルに分類されると思います。

こういう映画は登場人物の名前を憶えていないと途中で置いてけぼりをくらいます。私もそのうちのひとりですが(笑)

ここではそんな人のために、主要キャストを詳しく紹介していきますのでしっかりと顔と名前を憶えていきましょう!

 

 

役名:エリック・アングストローム

ランベール・ウィルソン

出典元:https://eiga.com/movie/91028/gallery/

出版社のオーナー。

かなりのオラオラ系でスーパーパワハラ野郎です。

 

役名:カテリーナ・アニシノバ

オルガ・キュリレンコ

出典元:https://eiga.com/movie/91028/gallery/

ロシア語の翻訳家。

小説『デダリュス』を崇拝し、自分自身もかなりの影響を受けているちょっとヤバい感じの乙女。

 

役名:アレックス・グッドマン

アレックス・ロウザー

出典元:https://eiga.com/movie/91028/gallery/

英語の翻訳家。

9人中最年少でいつでもどこでもスケボーボーイ。ぐうたらしているがどこか影があり油断できない感じもある。

 

役名:ハビエル・カサル

エドゥアルド・ノリエガ

出典元:https://eiga.com/movie/91028/gallery/

スペイン語の翻訳家。

吃音症で自分に自信がない様子。意味ありげに左腕を怪我している。

 

役名:エレーヌ・トゥクセン

シセ・バベット・クヌッセン

出典元:https://eiga.com/movie/91028/gallery/

デンマークの翻訳家。

子供をむりやり夫に任せて今回の仕事を受けたお母さん翻訳家。

 

役名:ダリオ・ファレッリ

リッカルド・スカマルチョ

出典元:https://eiga.com/movie/91028/gallery/

イタリア語の翻訳家。

依頼主のアングストロームにこびる男。SNSでちょい有名なスマホ依存症のおっさん。

 

役名:イングリット・コルベル

アンナ・マリア・シュトルム

出典元:https://eiga.com/movie/91028/gallery/

ドイツ語の翻訳家。

いかにもドイツっぽい雰囲気でどんなときでも冷静だが、ときおり自分勝手な面も見せる。

 

役名:チェン・ヤオ

フレデリック・チョー

出典元:https://eiga.com/movie/91028/gallery/

中国語の翻訳。

見た目通り真面目が服着ている感じの人。コミュニケーション能力が極めて高い。

 

役名:テルマ・アルヴェス

マリア・レイチ

出典元:https://eiga.com/movie/91028/gallery/

ポルトガルの翻訳家。

こちらも見た目通り短気で反抗的な態度をとる。個性派ぞろいの翻訳家の中でもひと際目立っている。

 

役名:コンスタンティノス・ケドリノス

マノリス・マブロマタキス

出典元:https://eiga.com/movie/91028/gallery/

ギリシャ語の翻訳家。

母国事情により自虐的な性格で全てにおいて割り切った考えの持ち主。

 

役名:ジョルジュ・フォンテーヌ

パトリック・ボーショー

出典元:https://gaga.ne.jp/9honyakuka/

ある町の書店経営者。

アングストロームの師匠的存在でいかにもな雰囲気漂う老人。いい人そうですね。

 

役名:ローズマリー・ウエクス

サラ・ジロドー

出典元:https://gaga.ne.jp/9honyakuka/

アングストロームの助手。

めっちゃ早口でいかにも仕事がめっちゃできるキャリアウーマン風の人。

 

【みどころ】

ここでは注目しておきたい点を紹介していきます。これを読んでおくとさらに面白くなるはずです。

・実話をベースにした物語だった

本作はトム・ハンクス主演で映画も大ヒットした『ダ・ヴィンチ・コード』で有名になった、「ロバート・ラングドン」シリーズの第4作目「インフェルノ」で実際行われた翻訳作業がモデルとなっています

 

小説「インフェルノ」を翻訳する際に情報が不正に流出するのを防止するため、本当に翻訳家たちを地下室に閉じ込め作業させたようですね。

ここの部分から着想し物語を構想させて本作はつくられています。

 

当たり前ですが実際には本作のような事件は起きていませんのでご安心を。

 

 

・デビュー作で映画『タイピスト』をヒットさせた注目監督

◆レジス・ロワンサル

長編映画監督としてのデビュー作『タイピスト』が国内外で注目作となり、日本でもヒットしました。

タイプライターの世界一を目指すといった変わった題材の物語でした。

ただのファッション映画に見られがちですが、内容はなかなかハードなスポ根と痛快なまでのテンポの良さで傑作映画のひとつとなっています。

 

本作はこの『タイピスト』とはかなり違った内容の作品だが、音楽の使い方や巧妙な映像の魅せ方でテンポのいいものをつくる監督がどのようなスリラー映画を完成させたかに注目したいですね。

 

 

 

【ネタバレあらすじ】

ここからはあらすじにツッコミを入れながら感想や解説などを青色で色分けしてあります》徹底解説していきます。ラスト20分は私の思いから省いております。ごめんなさい。

映画をみたら省いた理由も分かるはずです。今ならU-NEXTの見放題タイトルにもなっていますよ。

なるべく映画鑑賞後にお読みください。※ネタバレを多く含みます

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書斎らしきところが激しい炎に包まれているシーンで物語ははじまります。このシーンはかなり印象的である事件の場面となる。そしてある人物の心情を描いた伏線にもなっていますよ。

世界的ベストセラー小説『デダリュス』三部作の完結編にあたる「死にたくなかった男」の出版権を獲得したのはアングストローム社でした。ドイツで行われたブックフェアで、いかにもな感じで高らかに宣言するエリック・アングストローム社長。このシーンだけでエリック社長がかなり高圧的な人物というのがわかっちゃいますよね。

話題作『デダリュス』を世界同時に出版するため9人の翻訳家がフランスの豪邸に集められました。そこは核戦争に備えられた地下シェルターがあり、レストランやバー、プールにボウリング場など何でもある豪邸だったのです。

外部との接触を禁じるためパソコンや携帯電話を没収された翻訳家たちはその地下室に約2か月拘束されることになりました。ボウリングが趣味の私は2か月以上でも楽勝に過ごせそうな環境でうらやましくなりました(笑)

小説の流出を完全に防ぐため、毎日20ページづつ翻訳を進行させていくスタイルで1か月かけて翻訳作業を完了し、その後1か月で確認と推敲作業を行なうというスケジュールが課せられました。さすがにこの方法だと誤訳が増えそうだなあと思っちゃいましたね。まあまあ深く考えないでおきます。

さらに軍人並みの体つきした警備員たちもいて、翻訳家たちは拘束された感が強まり不満を漏らし始めます。

朝食は8時、昼食は13時、夕食は21時と仕方なしに毎日作業する翻訳家たち…。

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シーンは変わって、

《 2か月後(翻訳が終わってからの話) フランス ボワ・ダルシー刑務所内 》ここからは2つの時間軸で物語が進んでいくので少しややこしくなります

そこにはエリック社長がいつものふてぶてしい顔で誰かと面会しています。その人物は…、英語の翻訳を担当したスケートボーイのアレックスでした。

エリック社長はアレックスに「どうやって盗ったんだ!」と怒鳴り散らします。ここからこのおっさんずっと怒ってます。

アレックスは「ここに答えがありますよ」と言い、『デダリュス 死にたくなかった男』の本を指さしました。ここまでのシーンだとどっちが捕まっているのか分からないのもかなりのミスリードを誘っていますよね。

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《 再び2か月前の地下室にもどる 》

軍人警備員が監視するなかで翻訳作業する光景はまるで居残りさせられてる学生のように窮屈そうです。そんな環境のなかでもお構いなしに居眠りをするアレックス…。

仕事の終わりの食事中に翻訳家たちは『デダリュス』の今後のストーリー展開について話し合い、大いに盛り上がりました。

そこへエリック社長が入ってくると、ファレッリにSNSで何か発信したか問いました。SNS大好きなおっさん・ファレッリはここへ来る前に、SNSでにおわせ発言をしていたのです。媚びてるおっさんが一番ダメじゃん(笑)

エリック社長に呼ばれオフィスを訪れたカテリーナは、結末を知るために原稿を盗み見しようとしますが未遂に終わります。この時点では本当に見たかどうかはハッキリしませんが、この伏線がある事件の引き金となっています。エリック社長がカテリーナを怪しんだ伏線にもなっていますね。

《 シーンは変わってジョルジュの書店 》

エリック社長が車で書店の店主である恩師ジョルジュに会いに来ました。

会いに来た理由はジョルジュ=『デダリュス』の作者ということで、出版のことで話をしましたが、ジョルジュとエリック社長は折り合いがついていないようです。エリック社長の人間性が少し出ている貴重なシーンです。

※『デダリュス』の作者は誰にも知られていない覆面作家なので隠密のように会いに来ています。

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カテリーナいきなり着衣のままプールの中で大の字を決め込む!溺れると勘違いしたアレックスは助けに入るとめっちゃ怒られる。ここで二人は小説の内容についてぶつかる様に意見を交わす。このシーンは見直すをかなり大きな意味をなしています。

翻訳家たちは仕事をこなしながら親交を深め、仲良くなっていきました。パーティで合唱していたワンフレーズが小説に書かれていたことで、そこにいた10人のうちに真犯人がいることがここで確定する。この辺りにはいろんな伏線が散りばめられているので注目してください。

そしてクリスマスの日、事件が起こります。エリック社長あてに、何者かが脅迫メールを送信してきたのです。

翻訳中の『デダリュス』第3巻冒頭10ページが、ネットに流出されてしまったのです。

しかもその犯人は24時間以内に500万ユーロ(約6.7億円)を用意しないと、次の100ページも公開するという脅迫をしてきたのです。

エリック社長はいつもにまして怒り狂いました!

原稿は厳重に管理され外部に持ち出すのは不可能で、その原稿をみたのは翻訳家9人だけだったのです。ここまでが本作の序盤(事件が起きる)で、ここからさらにエリック社長のものすごい圧が9人を追いつめていくのです。

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脅迫事件が勃発してからは翻訳家たちは地下室に監禁されている状態になっていきました。そしてエリック社長は翻訳家たちの私物検査を改めて行ないました。各自色んな抵抗の見せ方をしており、このあたりの演出はかなり上手だが、この映画は真犯人探しがメインではないです。

デンマーク語担当のエレーヌの部屋から小説原稿用紙が出てきました。その原稿はエレーヌ自身が今回の仕事の合間に書いたものでした。エリック社長はエレーヌに激怒し、「君は小説家に向いていない」と言い暖炉で原稿を燃やしました。ホントに最悪人間・エリック!

エレーヌは幼いころから小説家を目指していましたが、自分自身に才能がないのが分かっていただけに余計ショックを受けました。

アレックスとカテリーナは互いのことが気になり始めます。さらにカテリーナはアレックスにどうやって翻訳家に抜擢されたのか問いただします。そりゃあそうなりますよね。いつも寝ているんだから。

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《 イギリス ロンドン(アレックスとエリック社長の出会い) 》

アレックスはエリック社長に会うためネットで自分の翻訳した小説を公開し、自分が3巻の翻訳者になりたいと希望します。エリック社長は3巻の冒頭分を書いて見せろとアレックスに無茶ぶりするんですが、アレックスの書いた文章にエリックは驚き翻訳家に採用したのです。

そして、その話をアレックスはカテリーナにしました。カテリーナも小説を盗み見しようとしたことをアレックスに話しました。ここでのやり取りが二人を運命と思わせる重要なシーンです。カテリーナの回想シーンにもあるカバンの暗証番号には大きな意味はないと思います。

エリック社長はそういった経緯とアレックスが執拗に作者オスカル・ブラックに会いたいがっていることから、アレックスを疑いはじめます。そこで素性をしらべるためローズマリーにたのみました。ここでのローズマリーの敏腕すぎる働きは無理があるのではと思いました(笑)

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約束の時限にエリック社長は翻訳家9人を誰かが犯人か徹底的に調べるため下着姿で立たせます。しかし時間になるとメール届き、次の100ページが何者かによって公開されてしまいました。さらに追加の脅迫メールまで届きました。

もともと怒り狂っていたエリック社長はさらに激怒し、犯人が名乗り出るまで翻訳家たちに何も提供しないと言い放ち、地下室を完全に密閉して出ていきました。

電気も消え、翻訳家たちは恐怖におののきはじめます。暗闇のエレーヌが最後の告白をします。小説家になりたかった自分の話や家族のことなど、それを聞いた翻訳家たちはびっくり表情で何も言えずにいました。

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《 エリック社長とジョルジュが会話するシーン 》

じつはこのシーンは少し前のはなしで翻訳家が集められる前の話だったんですね。

ジョルジュはエリック社長のやりくちが気に入らず、他の出版会社から出すと言い始める。もちろんお金と名声大好きエリック社長は怒るのですが…。

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《 2か月後の刑務所のシーン 》

ついにアレックスは原稿を盗んだが種明かしをしはじめます。ここからのどんでん返しはかなりのもので映画『ユージュアル・サスペクツ』を彷彿とさせるものでした!

 

《 ものがたりは翻訳作業よりも以前のはなし 》

エリック社長が電車で移動することを調べていたアレックスは、チェンとハビエル、テルマとイングリットの5人で日本製の高性能コピー機2台と運転が上手そうな顔のテルマのドライビングテクニックとねずみで電車内で騒動を起こすといった古典的でちょっと強引なトリックをつかって原稿を手に入れました。

ハビエルが腕を怪我したのはこの時あわててコケたためだったのです。なんじゃそりゃですよね。

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《 地下室のシーンに戻る 》

ここでいきなり事件が起きます。エレーヌが首つり自殺したのです。自分自身ですべてを否定してしまったエレーヌは生きる意味をなくして絶望したのであろうが、この死が意味するものはちょっとわかりづらいです。

それを見たエリック社長ですが、自分の脅迫事件を解決するまで通報する気はないようです。

ここで敏腕ローズマリーからエリック社長に電話。ローズマリーはアレックスが犯人だと確定したと報告します。

さらに200ページ流出したことでエリック社長は、ここから強硬策にでます。銃で翻訳家たちを脅し始めたのです。そこで翻訳家たちは互いに分かる言語のみを使って会話をしエリック社長を逆に追い込もうとしますが、混乱したエリック社長は銃を発砲、カテリーナ撃たれてしまいました。カウントダウンじゃなく、もっと違う方法だったらよかったが数字はどんな言語でもばれるよね。

それをみたアレックスが早く救急車を呼ぶため、自分がやったことを白状しました。

さらに混乱した狂犬エリック社長は、アレックスの胸を撃ちました!その場に倒れたアレックスですが、なんと胸に本をしまっていたため助かりました。ちゃんちゃん♪な展開です(笑)

ここでようやく軍人警備員がエリック社長を取り押さえます。警備員もここまでいうこと聞くんだからよほど給料が高いんだろうけどね。

翻訳者たちは解放され、エリック社長は逮捕されます。カトリーナは病院に運ばれ、命は助かったようです。ここまででかなりのどんでん返しがあるが、本作はさらなる大どんでん返しがあるんですね。ここで終わっていたら60点ぐらいの評価でしたが、ここからの畳み掛けが素晴らしかったです。

ここまできてなんですが、残り約20分はさすがにネタバレできません!

自分の目でみてくだい!

本当に傑作ですから!!

 

 

 

【まとめ】

この映画は公開当時からかなり話題となりました。

犯人捜しをする内容ではないのですが、みているこちらをまんまと騙すトリックとどんでん返しの多さは、近年のサスペンス映画のなかでもトップクラスでした。

 

古典小説を思わせるトリックと時間軸をずらした映像トリックなど、かなり多くのものが詰め込まれているのに見終わった後はけっこうスッキリする快作でもありましたね。この辺りは監督のデビュー作『タイピスト』と共通するところでしょうね。

ここまで完成度が高いと、製作側の思い描いた映画になっているんだなと思いましたね。

 

ラスト20分のネタバレをしなかった理由は実際にこの映画をみれば分かると思います。ぜひ見てほしい傑作サスペンスとなっていました!

 

最後まで、読んでいただきありがとうございました。

 

 

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