映画『十一人の賊軍』は、幕末の動乱期を舞台にした壮大な歴史ドラマです。
名脚本家・笠原和夫の幻のプロットを原案に、60年の時を経て映画化されました。
豪華キャスト陣による迫力の演技や緻密な時代考証、細部までこだわり抜いたセットで撮影された映像美が、観る人に感動を与えるでしょう。
この記事では、本作の特に注目すべき5つの見どころを紹介します。
✅幻のプロットが60年の時を経て映画化された
✅豪華キャスト陣とスタッフが集結!
✅緻密な時代考証で再現される
✅複雑な人間ドラマと迫力のアクションが融合
✅巨大なオープンセットでの撮影は圧巻!
映画のネタバレは避けながらも、ファンなら絶対に見逃せない魅力を余すことなくお伝えします。
1. 60年越し!幻のプロットが念願の映画化
本作は、日本映画界の伝説的脚本家・笠原和夫の幻のプロットが60年の時を経て、ついに映画化される注目作品です。
1-1.幻となったプロットの誕生
『日本侠客伝』や『仁義なき戦い』シリーズなど、東映黄金期の名作を生み出した笠原和夫。この企画はそんな彼の才能が詰まった企画でした。
しかし、当時の東映京都撮影所の岡田茂所長からボツにされ、笠原さんは怒り350枚ものシナリオを破り捨たという逸話が残っています。
1-2.60年後に復活した企画
笠原の遺した幻のプロットに目を留めたのが、『孤狼の血』シリーズのチーム。その企画に新たな命を吹き込むことを決意しました。
1人のヒーローじゃなく、チームワークで戦う「集団抗争劇」は、後に笠原さんが手がけた「仁義なき戦い」シリーズにも通じています。
2. 豪華キャスト陣とスタッフが集結
この歴史的プロジェクトに、日本映画界を代表する豪華キャストとスタッフが結集しました。
白石和彌監督のもと、山田孝之と仲野太賀のW主演を筆頭に、実力派俳優たちが集結。
さらに、『孤狼の血』シリーズで知られる製作陣が参加し、笠原和夫の遺志を受け継ぐ作品を完成させました。
2-1.スタッフ紹介
監督 | 白石和彌 |
---|---|
原案 | 笠原和夫 |
脚本 | 池上純哉 |
企画・プロデュース | 紀伊宗之 |
撮影 | 池田直矢 |
音楽 | 松隈ケンタ |
「孤狼の血」の白石監督、池上脚本家、紀伊プロデューサーが再集結し、平成ヤクザ映画の金字塔を築いた実力派クリエイター陣が本作を手掛けます。
60年の時を経て蘇る笠原和夫の幻のプロットを、現代の視点で再解釈し、日本映画界に新たな衝撃を与えることが期待されます。
音楽は、新しい学校のリーダーズなどを手掛け話題を呼んでいる松隈ケンタが担当。サウンドプロデュースから劇伴まで幅広く活躍する彼は、『仮面ライダーBLACK SUN』に続き、白石監督と再びタッグを組むことになった。
2-2.主要な登場人物
政(山田孝之)
新潟の駕籠屋。
女房を寝取られた恨みから新発田藩士を殺害し、罪人となった。新発田藩や武士に対して深い恨みを抱いている。
鷲尾兵士郎(仲野太賀)
新発田の剣術道場の道場主。
官軍に対する強い闘志を持っている。
赤丹(尾上右近)
イカサマ博徒。
武士から金を騙し取ったことで罪人となる。
なつ(鞘師里保)
新発田の遊女。
自分を捨てた男の家に放火したことで罪人となった。
ノロ(佐久本宝)
新発田の花火師の息子。
落ち着きのない行動が特徴的です。
引導(千原せいじ)
坊主。
多くの女性と不適切な関係によって、死罪を言い渡される。
おろしや(岡山天音)
医師の息子。
ロシアへの密航を試みて捕まる。
三途(松浦祐也)
農民。
一家心中を試みるも自分だけ生き残り、罪人となる。
二枚目(一ノ瀬颯)
新発田の色男。
侍の妻と不適切な関係になり、死罪を言い渡される。
辻斬(小柳亮太)
浪人。
辻斬りで10人以上を殺害した罪人。
爺っつぁん(本山力)
長州出身の剣術家。
新発田で強盗殺人を犯し、罪人となる。
入江数馬(野村周平)
決死隊の隊長。
内匠の腹心であり、家老の娘婿でもある。侍と罪人の間で板挟みになる立場。
仙石善右エ門(音尾琢真)
新発田藩士。
政に殺害されます。
山縣狂介(玉木宏)
官軍先鋒総督府の参謀。
新発田を官軍の支配下に置こうと策略を巡らせる。
溝口内匠(阿部サダヲ)
新発田藩の城代家老。
藩の実権を握り、二枚舌で戊辰戦争を乗り切ろうと計画を立てる。
多彩なキャラクターたちが織り成すのは、戊辰戦争を背景にした物語。複雑に絡み合う人間関係と深い葛藤が交錯する中、自らの運命を切り開こうとする姿が描かれます。
3. 緻密な時代考証
3-1.歴史的背景
この映画は、1868年の戊辰戦争を背景に描かれています。
物語は、幕末の動乱期における「鳥羽・伏見の戦い」から始まり、この戦いを契機に薩摩藩・長州藩を中心とした新政府軍と、旧幕府側の勢力との間で全国規模の内戦が勃発します。
その後、旧幕府軍に味方する勢力が奥羽越列藩同盟を結成し、東北と北越地域の諸藩が新政府に対抗します。
物語の舞台となる新発田藩は、この同盟に加わることを余儀なくされます。
そして、新発田藩では、捕らえられていた11人の罪人たちが「決死隊」として動員され、藩の要所である砦を守るという重要な役割を担うことになります。
3-2.資料活用
新発田市立歴史図書館が所蔵する資料が時代考証の参考として活用されています。
そういった所から、当時の新発田藩や北越地方の様子をより正確に再現することが可能になったと考えられます。
4. 複雑な人間ドラマと迫力のアクションが融合
幕末の動乱期を舞台にした『十一人の賊軍』は、11人の罪人たちを中心に織りなす深い人間ドラマと、息をのむような迫力のアクションシーンが見どころとなっています。
4-1.多様な登場人物
11人の罪人たちは、イカサマ博徒、自暴自棄になった女郎、一家心中を試みた農民など、様々な人生経験を持つ人物が登場します。
この多様性こそが、物語に奥行きを与えています。
4-2.人間としての変化と成長
戦場での経験を通じて、主人公の政をはじめとする罪人たちが成長し、仲間との絆を深めていく過程が描かれます。
さらに、新発田藩を守ろうとする鷲尾兵士郎(仲野太賀)と11人の罪人たちの関係性にも変化が生まれていく。その心変わりがドラマの核心となっています。
4-3.迫力のアクションシーン
本作は、心を揺さぶる人間ドラマと圧巻のアクションシーンが見事に融合した、スリリングなエンターテインメント作品ともなっています。
壮大な戦闘シーンが繰り広げられ、エキストラや特殊効果を駆使した大規模な戦闘描写は圧倒的に迫力あるものになっています。
特に、11人の罪人たちがそれぞれ独自の戦闘スタイルを駆使して戦うシーンは見逃せません。剣術、銃器、肉弾戦など、彼らの個性が表現された戦闘は多彩で魅力的です。
その中でもCGの使用を最小限に抑えたリアルな戦闘シーンは、アクションの真髄を体感させます。
5. ロケ地の紹介
『十一人の賊軍』は、千葉県鋸南町の大規模オープンセットを中心に、新潟県の実際の舞台も活用しながら撮影が行われました。
5-1.千葉県鋸南町
壮大な撮影現場には、東京ドーム約1.5個分の広さを誇る巨大なオープンセットが設けられました。
約二カ月もの時間をかけて、細部にこだわり抜いた数々のセット。そのすべてが圧倒的なスケール感を持つ世界観が作り出しています。
映画「十一人の賊軍」撮影現場潜入レポート 新たな集団抗争劇への期待が高まる生々しい舞台装置、白石和彌監督の思いhttps://t.co/Xa8Y8J5Ghw
千葉県鋸南町の元採石場跡地にセットを組み、新発田城が有した櫓(やぐら)門をはじめ、当時の藩の建物を再現した#鋸南町 #千葉県 #ロケ地 #十一人の賊軍— baron (@baronfr) October 7, 2024
□〒299-1901 千葉県安房郡鋸南町元名1854
5-2.新潟県新発田市(新発田城)
作品の舞台となる新発田藩(現在の新潟県新発田市)でもロケが行われました。
新発田城でのシーンが撮影されました。
映画「十一人の賊軍」新潟県新発田市ロケ、地元出身の木竜麻生さん新発田城で熱演!白石和彌監督「正義対正義の戦い描く」|新潟日報デジタルプラス https://t.co/KS0EbjoUM3
新発田藩が舞台の戊辰戦争のオリジナルストーリーらしいですね。— Rising Sun (@BizTripper) September 5, 2024
□〒957-0052 新潟県新発田市大手町6丁目4
5-3.その他のロケ地
他には、新潟県南魚沼市や宮城県の白石城で撮影が行われました。
□〒989-0251 宮城県白石市益岡町1
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今後も情報が入り次第、更新していきます。