27年越しの映画『箱男』気になるロケ地や原作小説について紹介！

映画「箱男」は、1997年にクランクイン前日に撮影中止となりました。ロケ地ドイツ・ハンブルクに出演者やスタッフ、機材も入ったところ突然の「撮影中止」宣告。

そこから紆余曲折ありましたが、石井監督は諦めず「27年越しの映画化」を実現させました。

この記事では、そんな映画『箱男』の魅力を伝えるべく

✅27年越しに待望の映画化
✅登場人物（キャスト）について紹介
✅気になるロケ地情報

と幅広く「ネタバレなし」で、原作ファンや映画ファン必見の情報をたっぷりとお伝えします。

ねこくん

石井監督の執念で実現した「27年越し」の映画を是非どうぞ！

1.原作小説について
- 1-1.原作者・安部公房について
- 1-2.原作小説「箱男」の概要と見どころ
2.映画『箱男』の作品情報
3.『箱男』のロケ地を紹介
- 3-1.茨城県笠間市
- 3-2.群馬県高崎市

1.原作小説について

1-1.原作者・安部公房について

安部公房(あべこうぼう、1924年 – 1993年)は、日本の小説家、劇作家、演出家である。東京府北豊島郡（現在の東京都北区）に生まれ、本名は「公房(きみふさ)」である。

東京大学医学部を卒業し、1951年に「壁」で芥川賞を受賞。その後、1962年に発表した小説『砂の女』で読売文学賞を受賞し、フランスでは最優秀外国文学賞を受賞するなど、国内外で高い評価を得る。

そのほかにも、戯曲「友達」で谷崎潤一郎賞、『緑色のストッキング』で読売文学賞を受賞するなど多くの文学賞を受けました。

安部公房は、幻想的かつ超現実的な作風で知られています。
代表作には、小説『他人の顔』『燃えつきた地図』『箱男』『密会』、戯曲『幽霊はここにいる』『棒になった男』などがある。

1-2.原作小説「箱男」の概要と見どころ

難解さで知られる小説「箱男」。
ダンボール箱をかぶり続けるという奇抜な設定と目まぐるしく変わる場面、ものすごく変わった登場人物たちが入り乱れる。

すべてが謎に満ちた本作は、根本的欲求を多方向から見られるという現代のSNSにも通ずる世界観が大きな特徴です。

ダンボール箱を頭からかぶり、覗き窓から外の世界を見つめて彷徨う「箱男」の記録の物語。

ねこくん

難解な作品が好きな人も中毒性ある「箱男」には感服するはず！

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2.映画『箱男』の作品情報

『箱男』
―それは人間が望む最終形態。
ヒーローか、
アンチヒーローか
（公式サイトより引用）

上映日	2024年8月23日
上映時間	120分
制作プロダクション	コギトワークス
配給	ハピネットファントム・スタジオ

2-1.映画『箱男』のあらすじ

ダンボール箱をかぶって都市をさまよい、のぞき窓から外の世界を見つめ、ノートに妄想を記す「箱男」。
カメラマンの「わたし」（永瀬正敏）は街で見かけた箱男に心を奪われ、自分もダンボール箱をかぶってのぞき窓を開け、箱男になろうとする。
しかし本物を目指す道は険しく、「わたし」をつけ狙い箱男の存在を乗っ取ろうとするニセ医者（浅野忠信）や、わたしを誘惑する謎の女・葉子（白本彩奈）などが現れる。
絵本作家の千紗子（杏）は、認知症を患う父・孝蔵（奥田瑛二）を介護するために帰郷する。
長年絶縁状態にあった父親との同居にへきえきしていた千紗子は、あるとき事故で記憶を失ってしまった少年（中須翔真）を助け、彼の体に虐待を受けた痕を見つける。
千紗子は少年を守ろうと考え、自分が母親だとうそをつき、少年と暮らし始める。
千紗子と少年、認知症が進行する孝蔵は次第に心を通わせるようになるが、その幸せな生活に終わりが訪れる。
（シネマトゥデイより引用）

2-2.スタッフの紹介

原作	安部公房
監督	石井岳龍
脚本	いながききよたか/石井岳龍
撮影	浦田秀穂
音楽	勝本道哲

石井岳龍監督は日本大学芸術学部に入学後、学生自主映画グループ「狂映舎」を設立し、卒業制作「狂い咲きサンダーロード」（1980年）が東映によって劇場公開されることでインディーズ界の先駆者となった。

27年前、石井監督は原作者安部公房から直接映画化権を託され、「箱男」の映画化が決定しました。
日独合作となった映画は永瀬正敏、佐藤浩市を迎え、撮影はドイツ・ハンブルクで行う予定でした。しかし日本側の資金問題により、クランクイン直前に制作が中止となりました。
このため、石井監督や出演者たちは失意の帰国を余儀なくされました。

そして2016年に改めて正式な原作権の許諾を得た石井監督は、安部の生誕100年にあたる2024年に公開の照準を合わせ、念願の映画公開となりました。