どうも、こんにちは。ズバ男です!
本日は『スパイの妻』を観る前に知るべき5つのことです。
予習用にお役にたてれば幸いです。
今回は日本を代表する監督となった黒澤清さん渾身の作品『スパイの妻』の魅力のすべてを紹介します。
※完全に”ネタバレなし”なのでご鑑賞前の方も安心してお読みいただけます。
映画『スパイの妻』は第77回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門で銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞した作品で、2020年6月にNHK BS8Kで放送されたものを劇場版で公開したものです。
【予習1】”黒澤 清 監督”って、どんな人?
[プロフィール] 兵庫県出身/1955年7月19日生まれ
日本の監督で北野武監督(『座頭市』)以来、17年ぶりに『スパイの妻』でヴェネチア国際映画祭銀獅子賞を受賞した黒沢清さんって、どんな人なんでしょう?
過去の作品を振り返りながら紹介していきます。
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高校は偏差値74の進学校「六甲学院高等学校」です。
この頃から映画にはまっいたようです。
立教大学に進学後、フランス文学者で映画評論家の蓮實重彦氏との出会いが大きく影響したようです。
大学4年の時に長谷川和彦監督に出会い、『太陽を盗んだ男』を助監督として手伝ったことで、監督になることを決意したようです。この映画もかなりの名作なので興味のある方は是非観てください。
さらに、その後1981年『セーラー服と機関銃』(相米慎二監督)で、助監督として参加した。
1983年『神田川淫乱戦争』で監督としての商業映画デビューを果たす。
1997年に公開した『CURE』が国際的に評価される。(特にフランスで人気があります)
この作品で主演だった役所広司は東京国際映画祭で最優秀男優賞を受賞し、その後も『回路』(2001)など黒澤清監督の作品に数多く出演している。
『回路』でカンヌ国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞しました。
『CURE』、『回路』とホラー映画で評価を受けるようになり、”Jホラーの巨匠”とも呼ばれ、ブームの火付け役となりました。
さらにその後、2008年『トウキョウソナタ』でカンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞、2015『岸辺の旅』で同部門監督賞を受賞するなど家族をテーマにする作品でも高い評価を受ける。
海外にもファンが多く「世界のクロサワ」とよばれています。※元祖「世界のクロサワ」の黒澤明監督とは血縁関係ではありません
ホラー映画でブレイクし、家族をテーマにした映画でも国際的に評価されているが、今までにはⅤシネマやテレビドラマなども数多くの作品を製作している。
監督の撮影スタイルとして、「長回し」をよく使います。
本作でも終盤に5分間のノーカットシーンが撮影されています。
それ以外にはホラー映画の巨匠らしく”影”の使い方が抜群に上手いです。
その辺も本作のみどころだと思いますよ。
【予習2】ドラマ版と映画版の違いは?
本作は8K撮影されたNHKドラマを再編集したものです。
8Kというのは、現在のテレビ放送が2Kで、それに対して画素数4倍が4K、さらに16倍したものが8Kとなります。
人間が普段目視しているよりも高精細なんですよ。
それでは、具体的にドラマ版との違いはあるのでしょうか?
◇1秒あたりのコマ数などを調整した
60ftpから24ftpにしたということでしょう。
◇色調を映画にあわせた
ドラマ版を映画用に色調をあわせたようで、違いがどのように雰囲気に影響するか楽しみですね。
特に“黒”い所がどのように表現されているかは注目してくだい!
【予習3】キャスト紹介
2020年の『ロマンスドール』に続いて夫婦役を演じた、蒼井優さんと高橋一生さんを中心に紹介します。
◇蒼井優/役名:福原聡子
[プロフィール] 福岡県出身/1985年8月17年
[代表作]『リリイ・シュシュのすべて』(2001)、『花とアリス』(2004)、『フラガール』(2006)、『百万円と苦虫女』(2008)、など
『フラガール』で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞をはじめとする数々の賞を総なめし、日本映画に欠かせない女優さんの一人です。
プライベートでは、2019年に「南海キャンディーズ」の山里亮太と結婚しました。
◇高橋一生/役名:福原優作
[プロフィール] 東京都出身/1980年12月9日
[代表作]『MEATBALL MACHINE -ミートボールマシン-』(2005)、『ゾウを撫でる』(2013)、『blank13』(2017)、『嘘を愛する女』(2018)など
1995年アニメ『耳をすませば』で天沢聖司の吹替えを担当した。その後、TVドラマなどに数多く出演するようになり、現在は歌手でもデビューしている。
主役から脇役まで出来る人気俳優である。
◇坂東龍汰/役名:竹下文雄
[プロフィール] 北海道出身/1997年5月24日
◇恒松祐里/役名:駒子
[プロフィール] 東京都出身/1998年10月9日
◇みのすけ/役名:金村
[プロフィール] 東京都出身/1965年4月25日
◇玄理(ひょんり)/役名:草壁弘子
[プロフィール] 東京都出身/1986年12月18日
◇東出昌大/役名:津森泰治
[プロフィール] 埼玉県出身/1988年2月1日
◇笹野高史/役名:野崎医師
[プロフィール] 兵庫県出身/1948年6月22日
【予習4】ロケ地は黒沢監督の出身地
本作は、黒澤清監督の出身地である兵庫県神戸市でも撮影が行われました。
神戸市には当時の異国情緒が残った場所が各地にありますもんね。
今回はその一部を紹介します。
◇旧グッゲンハイム邸
旧グッゲンハイム邸HPより
神戸市垂水区・塩屋にある洋館で、明治大正期に滞在したドイツ系アメリカ人の貿易商の家族がその名前に由来しています。
現在も結婚式など色んな目的で使われているようです。
◇旧加藤海運本社ビル
近代洋風建築の雰囲気が残る、加藤海運(株)創業のビルです。
神戸市兵庫区にあり、最近では『アルキメデスの大戦』など多数の映画撮影に使われています。
【予習5】どんな内容なの?(ネタバレなし)
映画『スパイの妻』30秒予告編
1940年の満州。恐ろしい国家機密を偶然知ってしまった優作は、正義のためにその顛末を世に知らしめようとする。夫が反逆者と疑われる中、妻の聡子はスパイの妻と罵られようとも、愛する夫を信じて、ともに生きることを心に誓う。そんな2人の運命を太平洋戦争開戦間近の日本という時代の大きな荒波が飲み込んでいく。(映画.comより引用)
本作はスパイ本人じゃなく、その妻に焦点を当てたというのが大きな特徴でしょう。
NHKのドラマにはこのパターンは多いですよね。
なので、戦争映画をあまり観ない人にもおすすめの作品です。
舞台となる、1940年の神戸を完全に再現している。
衣装や美術品も細部にこだわってあり、クラシカルな雰囲気も抜かりない完成度です。
映画の内容はもちろんですが、その完成度に映画の没入感は期待大ですね。
【まとめ】
映画『スパイの妻』のことを色々と紹介してきましたが、この作品がなぜヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞できたかは、実際に映画を鑑賞して体験しないと分かりません。
小説版もありますので読んでみると、より世界感に浸れると思います。
2021年に実写映画化される『名も無き世界のエンドロール』の行成 薫 さんが書かれています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。