この記事は、最強に泣ける映画『最強のふたり』を紹介するものです。
【こんな人にオススメの記事】
・映画『最強のふたり』を観て泣いた人
・映画『最強のふたり』を観てないが泣きたい人
・映画『最強のふたり』の見どころを知りたい人
そして、実話を基にした本作を製作した監督ふたりも最強だったので、こんなに素晴らしい映画が出来た! そのあたりも詳しくみどころ紹介していきます。
どうぞお気楽に最後まで読んでくださいね。
【作品情報】
2012年公開 113分 PG12
全く共通点が無い2人は衝突しながらもお互いを受け入れ、友情を育んでいく実話が基にした物語。
2011年・第24回東京国際映画祭で東京サクラグランプリ(最優秀作品賞)と最優秀男優賞をW受賞しました。そしてその勢いのまま日本で公開され、フランス映画で歴代1位のヒット作を記録!
監督
◇エリック・トレダノ/オリヴィエ・ナカシュ
【映画製作までの経緯】
・2002年に映画のモデルとなったフィリップとアブデルは、フランスのメディアに取り上げられ話題となる。
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・その番組の司会者は2人に興味を持ち、2003年に2人を描いたドキュメンタリーを製作する。
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・そのドキュメンタリーを見ていた本作の映画監督 エリック・トレダノとオリヴィエ・ナカシュがフィリップに話を聞きに行き、脚本を書き上げて映画を製作しました。それが『最強のふたり』です。
主要キャスト
◇フランソワ・クリュゼ/役名:フィリップ
[プロフィール] フランス出身/1955年9月21日生まれ
2006年『唇を閉ざせ』でセザール賞主演男優賞(フランスのアカデミー賞にあたる)を受賞、セザール賞には他に9回ノミネートされていて、フランスでは名実ともにトップクラスの俳優。
◇オマール・シー/役名:ドリス
[プロフィール] アメリカ出身/1978年1月20日生まれ
人気コメディアンでもあり、フレッド・テストと2人で「オマール・エ・フレッド」としても活動している。
2001年に映画デビューし、本作で国際的にも注目されて『X-MEN:フューチャー&パスト』や『野性の呼び声』などでにも出演している。
【あらすじ】
不慮の事故で全身麻痺(まひ)になってしまった大富豪のフィリップ(フランソワ・クリュゼ)は、新しい介護者を探していた。
スラム出身の黒人青年ドリス(オマール・シー)は生活保護の申請に必要な不採用通知を目当てに面接にきた不届き者だったが、フィリップは彼を採用することに。
すべてが異なる二人はぶつかり合いながらも、次第に友情をはぐくんでいき……。
(引用元:シネマトゥデイ)
【みどころ】
ここでは映画『最強のふたり』を見たことある人でも、さらに楽しめるよう見どころを紹介していきます。
その1:実話が基となっている
エリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ監督が直接フィリップに話を聞きに行き、脚本を書き上げて製作した映画です。
事実と異なる点もありますが、富豪の白人と移民の青年の友情を描いた物語の本質は実話そのものです。
フィリップはパラグライダーで事故をして首から下が麻痺し、車椅子生活をすることとなったのだが、作中で再びパラグライダーに乗るエピソードがある。これは実話です。
実際の2人も映画のようにファンキーでユニークな人たちなんですね。
その2:フランスのリアルな社会的差別も描かれている
フランスは移民が多く住む国です。
映画の中でも描かれていますが、裕福な暮らしをしている人が白人で、スラム街には黒人以外出てきません。
そして風俗関係の女性はアジア系でした。
この映画は単なる2人の友情を描いたきれいな物語じゃなく、フランスの実情をリアルに描いた物です。
そこがこの作品のもうひとつのメッセージでもある。
その3:ふたりの共通点
車いすの富豪の白人と、職につけない国外にルーツがある移民系黒人といった対照的な2人だが唯一似ているところがある・・・。
相手に同情せず、相手の人格のみをきちんと尊重するところ。
そんな2人だから、奇跡的な友情が生まれたんでしょうね。
その4:ブラックジョークで明るく素直な気持ちになります
本作を皮肉っていうと、作品の設定自体は完全に ”お涙頂戴” 映画です。
しかしこの映画は暗い内容もあるが全編コメディ要素が強いものとなっていて、普通なら笑えない内容のことでもジョークに変えて笑って吹き飛ばしています。
社会的ハンデがある2人がお互いを認め合うことで、何でも言い合える仲になっていく。
その過程が自然と入ってきて、気持ちのいい映画に仕上がっています。
2人のブラックジョークと行動は本気で笑えます。
その5:監督も最強のふたり!
エリック・トレダノとオリヴィエ・ナカシュは本作で4作目の映画でした。
その後の2人はコンビで『サンバ』、『セラヴィ!』を製作しています。
『サンバ』は本作の主人公オマール・シーと再びチームを組んで製作した映画です。
数多くの映画を2人で一緒につくっているが、ほとんど争うこともなく一緒に脚本からキャラクター設定までを2人で話し合って決めていくんだとか。
「楽しい作品をつくるには楽しい雰囲気が大事だ」と語っているように、2人の映画はどれもコメディー要素が多くあります。
本当に素敵で仲の良い”最強のふたり”なんですね!
【感想】
フランスで大ヒットしたあと日本でも公開され大ヒットとなった作品ですが、正直最初は全然期待していませんでした。
ポスターをみて、タイトルもベタだし典型的な感動ものかなぁという印象しかなかったんです。
しかしこの映画はよくある感動物語とは違いました。
”【みどころ】”のところにも書いてるように都合の悪いことにフタをせず、社会的差別が多くあるフランスの実情をきちんと描いていました。
その現実が2人の障壁として実際に影響してくる場面などがあり、なかなか変えられない人間の本質を描いていているようで切なくなりました。
しかし、この映画のふたりは自分のありのまま気持ちをぶつけ合うことで、それを乗り切っていきます。
そのあたりは深く感情移入できました。
基本コメディー要素が強い作品なので楽しくなるシーンや笑えるシーンが多く、明るい気持ちにもなれました。
2人で音楽を聴かせあうシーンは本気で素敵すぎです。
2人が本当に明るく楽しそうにしているときは、みているこちらまで同じ気持ちになれました。
アメリカ映画には無い独特の雰囲気もあり、音楽や映像の流れるスピードが全く違う感じがしました。
ほんとに素敵なシーンが多く、こんな素晴らしい映画に出会えたことに感謝です。
【自己評価】★★★★★(5.0点)
【まとめ】
この映画は私のオールタイムベスト10には入る作品でした。
人間は立場や環境が違っても、良いところや悪いところがそれぞれあります。
それを悩んだり妬んだりもします。
お互い自分にないものを相手の求めたりもするけど、本当は自分を認めてほしかったりもします。
みんながこの映画の2人みたいになれればいいけど・・・。
人間の本質が何なのか?人間の価値とは何なのか?
他人を認め、信頼し合うことのすばらしさを感じれる本当に素敵な映画でした。
ただしこういう映画は人によって受け止め方が変わるので、思ったほど良くなかったと思う人もいると思います。
”最強のふたり”の監督には今後もたくさんの素晴らしい映画をつくっていってほしいですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。