どうも、こんにちは。
本日は『鍵泥棒のメソッド』です。
【作品情報】
2012年 128分 G 日本
内田けんじ監督はこの作品で、第36回日本アカデミー賞で最優秀脚本賞を受賞した。
◆スタッフ
◇監督・脚本・・・内田けんじ
[プロフィール] 神奈川県出身/1972年9月8日
[代表作]『運命じゃない人』(2005)、『アフタースクール』(2008)
高校卒業後にアメリカ留学(サンフランシスコ州立大学)した。
2005年の『運命じゃない人』では、カンヌ国際映画賞で4つもの賞を受賞している。
◆主要なキャスト
◇堺雅人/役名:桜井武志
[プロフィール] 宮崎県出身/1973年10月14日
両親を若い時に亡くし、身寄りはない売れない役者である。ずぼらな性格。
◇香川照之/役名:コンドウ(山崎信一郎)
[プロフィール] 東京都出身/1965年12月7日
桜井とは対照的に几帳面で、法外な報酬で仕事を請け負う凄腕の殺し屋。記憶を失うことになる。
◇広末涼子/役名:水嶋香苗
[プロフィール] 高知県出身/1980年7月18日
雑誌「VIP」の編集長を務めている。几帳面な性格で、根が臆病で恋愛が苦手。婚活中である。
◇荒川良々/役名:工藤純一
◇森口瑤子/役名:井上綾子
【あらすじ】
35歳でオンボロアパート暮らしの売れない役者・桜井は、銭湯で出会った羽振りのよい男・コンドウが転倒して記憶を失ってしまったことから、出来心で自分とコンドウの荷物をすり替え、そのままコンドウになりすます。しかし、コンドウの正体は伝説の殺し屋で、桜井は恐ろしい殺しの依頼を引き受けなくてはならなくなる。一方、自分が売れない貧乏役者だと思い込んでいるコンドウは、役者として成功するため真面目に働き始め、徐々に事態は好転していくが……。(映画.comより引用)
【みどころ】
◇その1:天才・内田けんじ監督の脚本!
内田けんじ監督は作品数が少ないですが、映画ファンの中でも入念に練りこまれた”脚本”や質が高い巧みな”構成”は人気が高いです。
何せ、映画3本目で「日本アカデミー賞で最優秀脚本賞」を受賞しちゃうんですから、まさに天才だと思います。
『運命じゃない』はまさに内田けんじ監督”脚本”の真骨頂のような作品だったと思いますが、『鍵泥棒のメソッド』は出演者の面白さを前面に出した作品になっている。
◇その2:『半沢直樹』コンビの共演が面白い
映画公開当時と今(2020)観たときの映画の印象がどうしても違ってしまいます。
どうしても、ドラマ『半沢直樹』に引っ張られてしまいます(笑)
『半沢直樹』の2人の掛け合いは非常に面白いですが、この作品の2人の掛け合いも相当面白いですよ。若くて爽やかです(笑)
この作品で、主演の堺雅人は日本アカデミー賞主演男優賞受賞、香川照之は助演男優賞、広末涼子も助演女優賞を受賞している。
(広末涼子は結構ハマり役です)
それ以外のも、この作品は国内の映画賞を数多く受賞している。
◇その3:クラシックも多く楽しめる
物語の冒頭、コンドウの車内で流れる曲はベートーヴェンの『弦楽四重奏曲第14番』です。
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それ以外にも、水嶋香苗の時にモーツァルトの『ピアノソナタ15番第2楽章』だったりします。
散りばめられたクラシック音楽が映画をさらに盛り上げています。
音楽担当の田中ユウスケは、最近では「いきものがかり」や「あいみょん」などのプロデュースなどをしているヒットメーカーなんです。
◇その4:部屋の作りこみが異常にすごい!
主人公桜井の部屋(左側)の作りこみが異常にすごいです。
部屋だけで桜井の人間性(ずぼらというか・・・)について語っています。
一方、コンドウの部屋(右側)は、対照的に整理されたキレイな部屋です。
性格が対照的な2人をさらに演出するような、美術スタッフのこだわりに脱帽です・・・。
◇その5:続編は名探偵コナン!?
2014年に金曜ロードショーで放送されてスペシャル番組『名探偵コナン 江戸川コナン失踪事件 ~史上最悪の2日間~』で脚本を担当したのが内田けんじ監督です。
実はこの作品、『鍵泥棒のメソッド』の続編とも言われているんです。
1926年に起きた『アガサ・クリスティ失踪事件』をモチーフに書き下ろし、『鍵泥棒のメソッドの世界』と『コナンの世界』が融合したような設定になっています。
『鍵泥棒のメソッド』の後日談といえる作品になっています。
伝説の殺し屋コンドウや水嶋香苗も登場し、声も映画のままで香川照之と広末涼子です。
話の中でも、コナンが銭湯で足を滑らし記憶喪失になったり、『鍵泥棒のメソッド』の主人公”桜井”の部屋が汚かったりと、リンクしている箇所があります。
銭湯でコケるシーンは香川照之の実演でCGや特撮ではないようです。
すごい高さでとんでますよね!
走り高跳びも才能もありそうですね。
まさに夢のコラボをしています!
【感想】
本作は今までの2作品に比べると、話の全容がかなりシンプルな構成となっていて、より出演者の演技が光ってみえた。
さらにレベルアップした作品になっていたと思います。
【みどころ】の所にも書きましたが、秀逸な脚本、細かい設定を再現する美術品の数々、そして選び抜かれたクラシック曲と、ほぼ完ぺきにまで作り込まれた映画になっています。
映画を観終わった後の爽快感は日本映画随一でしょう。
ただひとつ満足できない点を言うとすれば、上映時間の長さがもう少し短い(中盤に少し中だるみがあるように思います)とほぼ全員が大満足の映画になっていたと思います。
【自己評価】★★★★☆(4.0点)
【まとめ】
日本を代表する俳優になった2人が競演する映画です。
この作品以外でもこの2人は共演していますが、私の中では1番はこの映画です。おすすめですよ!
半沢直樹ファンの方は絶対にみてくださいッ!
観ないと全員まとめて、1000倍返しだッ!! www
最後に・・・、どれだけ待ってもいいので、また内田けんじ監督の作品を観れる日を楽しみにしております。
最後まで読んでいただきありがとうございました。