どうも、こんにちは。ズバ男です!
この記事は映画『るろうに剣心 最終章 The Beginning』をネタバレありで徹底解説していくものです。
前作の『るろうに剣心 最終章 The Final』は時系列上の完結となる『人誅編』をベースとして、エンタメを極めた構成でキャストオールスターで暴れまくりの興奮度MAXのアクション大作となっていましたが、本作『るろうに剣心 最終章 The Beginning』は剣心の過去を描いた『追憶編』をベースとしていて、前作とは真逆のテイストでエピローグにして物語を完成に導く大傑作となっていました。
本作に大きく影響を与えたOVA版とも比較しながら本作のみどころなどを解説していきますので、最後までお付き合いください。
※”ネタバレ”を含む記事なので未鑑賞の方はご注意ください
【作品情報】
2021年 137分
大人気漫画『るろうに剣心』の実写映画シリーズ完結編2部作の第2弾。
緋村剣心の過去を描いた「追憶編」をベースとしていて、剣心の頬の十字傷の謎に迫る物語…。剣心が不死(ころさず)の誓いをたてるまでを描いたシリーズ最高傑作!
スタッフの紹介
◆監督/脚本:大友啓史
◆原作:和月伸宏
◆製作:高橋雅美/池田宏之/千葉伸大/瓶子吉久/森田圭/田中祐介
◆エグゼクティブプロデューサー:小岩井宏悦
◆プロデューサー:福島聡司
◆アクション監督:谷垣健治
◆撮影監督:石坂拓郎
◆主題歌:ONE OK ROCK/「Broken Heart of Gold」
キャストの紹介
※ 緑が役名、黒が俳優名
◇ 緋村剣心:佐藤健
◇ 雪代巴:有村架純
◇ 桂小五郎:高橋一生
◇ 沖田総司:村上虹郎
◇ 高杉晋作:安藤政信
◇ 辰巳:北村一輝
◇ 斎藤一:江口洋介
【原作やOVA版との違いとみどころ】
原作コミックスでは「人誅編」が17巻後半から28巻までとなっていて、その中の逸話として剣心の過去を語った「追憶編」が19巻から21巻に掲載されています。
その部分を切り取って製作されたOVA作品『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-追憶編』が大傑作アニメと評され、後に「追憶編」といわれるようになったのです。
本作はOVA版に大きく影響されたのかほとんどのシーンがOVA版に沿って製作されていました。
頬の十字傷について
頬の十字傷が剣心によって惨殺された巴によってつくられたシーンの解説。
原作では 剣心を助けようとした巴が辰巳の懐に入ったところを剣心が辰巳と同時に惨殺してしまい、その時偶然にも巴の手から離れた短刀が剣心の頬を切り十字傷が出来た。
しかし本作ではOVA版と同様に、倒れた巴が持っていた短刀で元婚約者がつけた傷の上から重ねるように剣心の頬を切り”十字傷”を負わせていました。
この行為には巴の剣心への色んな心情が込められていたんだと思います。
新選組・沖田総司の登場
本作中の剣劇でも注目の沖田総司との対決シーンですが、実は原作ではこのシーンは存在しておらずOVA版をもとに膨らませたエピソードとなっていましたね。
沖田総司を演じた村上虹郎は監督のお気に入りの役者の1人だけあって、初登場になった本作でも強烈な印象を与えていました。
諸説ありますが、池田屋事件当時は沖田総司22歳で江口洋介演じる斎藤一が20歳となってるんです。どうみても逆に見えますよね…(笑)
そしてこの時に沖田が吐血しているのは結核になっていたというのをあらわしているんだと思います。
剣心の幼少期がカットされていた
本作は原作やOVA版で描かれていた幼少期が丸々カットされていました。
実写映画シリーズでは3作目にあたる『るろうに剣心 伝説の最期編』で野盗に襲われていた所を比古清十郎に助けてもらってから剣を学ぶまでエピソードが描かれています。
剣心が人のために剣を振るうと決意するシーンがなかったのは少し残念でしたね。福山雅治演じる比古清十郎の最強ぶりをもう一度みたかったです。
【原作に沿った名言がみどころ】
本作のベースとなった「追憶編」は原作ではそこまで長いエピソードではありません。OVA作品『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-追憶編』の人気はもちろんですが、剣心と巴の静かなやり取りからなる心に残るセリフが多くあり、その辺りも「追憶編」の人気の要因となっているのでしょうね。
ここで少しその名言を紹介します。
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・あなたは本当に血の雨を降らすのですね・・・。
・もうしばらくここに居させていただきます。今のあなたには狂気を抑える鞘が必要ですから・・・。
・さよなら、私が愛した二人目のあなた・・・。
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このような儚いセリフは当時の少年漫画ではあまり存在しておらず、週刊少年ジャンプ誌上でも大きなインパクトを与えたエピソードとなりました。
【まとめ】
10年にもおよぶ人気シリーズ実写映画『るろうに剣心』も本作で完結することになりました。最終章は二部作となり本作が正真正銘の完結編となっています。
タイトルが少しややこしく、「TheFinal」が二部構成の第1弾で「TheBiginning」が第2弾となっています。公開されてからも本作の公開順には色々を意見が出ており、盛り上がりましたね。個人的には公開順に鑑賞するのがベストだと思っていますし、観終わってからの余韻は最高でしたよ!
このシリーズは1作目からきちんとしたコンセプトがあり、それが最後まで通された完成された作品としてよく出来た映画だったと思います。
特に最終章二部作は「TheFinal」の「動」をあらわしたコンセプト。 アクションシーンの極みとも言える作品で邦画史上最高のエンタメ映画として完成されていました。
そして、「TheBiginning」は「静」をあらわしたコンセプト。 ドラマパートで剣心という1人の主人公を激しくも静かに描ききった作品で、まさに全てを完成させた映画でした。
本当に素晴らしい作品をありがとうございました!
最後まで読んでいただきありがとうございました。