どうも、こんにちは。ズバ男です!
この記事は映画『百円の恋』のみどころをネタバレなしで紹介するものです。
日本アカデミー賞やブルーリボン賞など数多くの映画賞を総なめした本作だが、撮影期間はたったの二週間というタイトなスケジュールな上、制作費も超低予算だったようです。なぜそんな映画が公開された2014年の年間最高の傑作邦画として評論家からも絶賛されるまでに観る人を魅了したのか…。
主演の安藤サクラの凄みを感じる演技の理由、そして魅力ある登場人物の紹介など、この映画の面白さを極力ネタバレなしで紹介していきますので最後まで読んでくださいね。
この記事は極力ネタバレなしで映画の紹介をするものです。すでに観たあなたも まだ観ていないあなたも これを読めばこの作品が120%面白くなります。
【作品情報】
2014年 113分 PG15+
周南映画祭で脚本賞「松田優作賞」の第1回グランプリを受賞した足立紳の脚本を映画化したもの。日本アカデミー賞など国内の賞レースを総なめした挙げ句、海外の映画祭でも高い評価を受けた。
ひょんなことから恋愛とボクシングに目覚めた、32歳のニート・一子が不器用ながらも戦っていく姿を描いたドラマ。
あらすじ
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32歳の一子(安藤サクラ)は実家でだらしない毎日を過ごしていたが、離婚して実家に戻ってきた妹の二三子といざこざを起こし、一人暮らしをすることに。100円ショップで深夜労働にありつき、相変わらずな日々を送っていたものの、ボクサーの狩野(新井浩文)と恋に落ちる。狩野との幸せな日々はすぐに終わってしまうが、ある日、たまたま始めたボクシングが一子の人生を変える。(シネマトゥデイより引用)
スタッフの紹介
◇監督:武正晴
◇脚本:足立紳
◇製作:間宮登良松
◇企画監修:黒澤満
◇エグゼクティブプロデューサー:加藤和夫
◇プロデューサー:佐藤現/平体雄二/狩野善則
◇音楽:海田庄吾
◇撮影:西村博光
◇衣装:宮本まさ江
◇主題歌:クリープハイプ/「百八円の恋」
【安藤サクラがすごかった!】
プロフィール
東京都出身/1986年2月18日生まれ/A型
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父は俳優の奥田瑛二、母はエッセイスト/タレントの安藤和津という芸能一家で生まれる。姉は映画監督の安藤桃子、夫は柄本佑です。
2007年に父・奥田が監督を務めた『風の外側』で主演女優が突如降板したのでクランクイン直前に代役として出演しデビューしました。
2009年『愛のむきだし』でカルト教団の勧誘員・コイケ役を演じ、ものすごい存在感を発揮し一気に注目されるようになると、その後は本作を含む多くの映画やテレビドラマに出演しています。
そして、映画『万引き家族』やNHK朝ドラ『まんぷく』で世間のかなりの人に知られる女優さんになりました。
驚異の減量!短期間の肉体改造がすごい!!
主人公・一子は32歳で親のスネをかじり堕落したニート生活をしていたので、ぶよぶよでだらしない体型をしていました。しかしボクシングに目覚め、どんどんと本物のボクサーのような体型になっていくのです。
驚くべきことにこの映画の撮影期間は二週間という短い期間だったようで、最後の試合シーン以外は順撮りではなかったので10日間という期間でボクサー体型に変貌を遂げたようです。本当にプロになるつもりで過酷なトレーニングをした結果、プロテストのお誘いも受けたようですよ。恐るべき!女優魂です!!
安藤サクラは中学二年の時にボクシングをやっていたようす。その経験があってこその迫真のボクシングシーンは大きなみどころとなっています。
700通以上の応募があったオーディションを勝ち抜いた
オーディション応募の記事をみた母親に言われたことがきっかけで、安藤サクラは脚本を読んで試合のシーンに興奮し、自分が演じなくても絶対見たい映画だと感じたようです。
そして、700通以上あった応募の中から見事合格した安藤サクラは演じる一子のようにぐちゃぐちゃになるまで一緒に戦う気持ちで撮影にのぞんだ。当時だらしない役を演じることが多かった安藤サクラはそれを気にすることもあったがこの映画に関しては「ケツの穴でもなんでも映してくれ!」という意気込みがあったと語っています。
そういった体当たりの演技がこの映画を泥臭くもカッコいい映画にさせたんだと思います。
【個性豊かな登場人物が魅力的!】
登場人物の紹介
※ 緑が役名、黒が俳優名
◆斎藤家
◇斎藤一子:安藤サクラ
主人公・一子は32歳になってもニートなダメ人間。ぶにゅぶにゅの横っ腹…。
◇斎藤二三子(ふみこ):早織
二三子は離婚し子供がいる。弁当屋を切り盛りしている母親を手伝っているが、ニートな一子に腹を立て大喧嘩をする。典型的な元ヤン。しかし言ってることに筋が通っている。
◇斎藤佳子:稲川実代子
佳子は弁当屋を切り盛りしている。一子に甘くいつも何も言えずに金銭的援助もしている。弁当屋の切り盛りだけでもたいへんそうなのに子供がニート&離婚出戻りと苦労の連続…。
◇斎藤孝夫:伊藤洋三郎
孝夫は姉妹喧嘩の仲裁出来ずに役立だずだが優しい父親。楽天ファンなのかいつも野球帽を被っている。いつも笑顔で真っ直ぐ前を見ているんですよね。
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姉妹で大喧嘩するほどバラバラの家族のだったが、母・佳子の怪我をきっかけに一子が弁当屋を手伝う。一子がボクシングを始めて表情が少し明るくなったのも要因としてあるが、以前よりも家族関係が良くなっていく。
最後の試合では一子の闘志あふれる姿に涙する二三子や祈るばかりの親夫婦が家族というカタチをあらわしていて心うたれた。
◆100円コンビニのみなさん
◇岡野淳:宇野祥平
店長の岡野は誰に対しても敬語で接している。一子が客で来ている時にいつも釣り銭を募金しているのを覚えていた。一点を見て固まる不穏な動きを見せていて、かなり病んでいる…。
◇佐田和弘:沖田裕樹
佐田はコンビニチェーンの本部社員でいつもネチネチと指摘や愚痴をこぼすエラそうなやつ。所帯持ちで近くでタバコを吸われると匂いが服につくと細かく注意する、とにかく面倒くさいやつ。
◇野間明:坂田聡
野間はベテラン店員で44歳のバツイチ。いつもずっと喋っていて人によって態度を変える典型的なダメなやつ。個人的に好きな俳優さんでホントいろんな役を演じています。
◇池内敏子:根岸季衣
池内はコンビニの元店員でいつも廃棄の焼きうどんを取りに来る。おにぎりは毒が入っているなど妄想を口走ってしてかなり危ないおばちゃん。
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これだけ個性的な人たちがやってるコンビニ…。なさそうだけどありそう、怖いけど行ってみたいです(笑)
やっぱりコンビニ店員ってお客にあだ名つけてるのかな。バナナマン…(笑)
◆ボクシングジムのみなさん
◇青木ジムの会長:重松収
青木ジムの会長は一子に声を掛けて入会させる。優しそうだがいつも否定的な厳しい意見をしれっと言う。いつもラーメン大好き小池さんばりにラーメン食べてる(笑)
◇小林:松浦慎一郎
小松は会長とは対照的に真面目実直タイプ。一子のひたむきさに応えるため懸命に指導する。一子の”左”に可能性を感じている。めっちゃいい奴でこの映画で唯一?普通の人
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会長と小松のコンビがいい具合にバランスが取れていた。会長がカップラーメン食べ終わった後すぐに小松を食事に誘うシーンは笑えた。
◆その他のみなさん
◇狩野祐二:新井浩文
狩野祐二は引退間近(年齢制限のため)のプロボクサーで100円コンビニでいつもバナナを買うのでバナナマンと呼ばれている。ボクサーなのにタバコを吸う不真面目な面があり、一子のアパートに住み着くもすぐに豆腐屋の女にのりかえるダメ人間。ダメな奴だが何か目的を持っていそうな雰囲気があるので人物を掘り下げたエピソードが欲しかった。ただ単にやる気なし男の可能性もある(笑)
◇豆腐屋の女:舛木亜子(あこ)
豆腐屋の女は狩野を見習いとして雇う。狩野にカッコよさを感じたがすぐに別れたようだ。「男なら豆腐、女ならなお豆腐」がなぜか心に残る…。
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狩野祐二がこの作品のどん底感をより際立たせていた。バナナ買っても持って帰らないの繰り返しはかなり笑える。
他にもちょいちょい出てくるホームレスなど隠れキャラが多いです。
基本ダメな奴ばかりで犯罪まで犯す底辺ぶりですが、そのどん底感から生まれる安っぽくもリアルな凄みがこの映画の魅力のひとつでそれだけで何度も観たくなります。
ダメ人間からなる名言がたくさんあり、なぜか心に残りますよ。
【まとめ】
この映画は脚本が良いことはもちろんですが、二週間というタイトな撮影期間が可能にした泥臭いリアルさがよく演出された素晴らしい映画でした!
主演の安藤サクラが魅せた魂の演技と個性豊かな登場人物たちがどこか魅力的で観る人の心をわし掴みしてくる…。
人と人が密に接することが出来なくなった今だからこそ観たい映画なのでぜひ観てください!鑑賞済みの方もぜひ再鑑賞してみてください!!
最後まで読んでいただきありがとうございました。